月光仮面にサンダーバード、植木等にザ・ドリフターズ、ウルトラマンにアラレちゃん、そしてポケモンと、世代と趣味は違っても、昭和や平成に生を受けたアナタなら、どっかに心ひかれるモノがここにはある。びっちり。みっしり。うずたかく。

高倉健にザ・ドリフターズと昭和の人気者のグッズも=奈良県明日香村小山

 とにもかくにも大量に並んだおもちゃに文具、企業が配ったノベルティーと、キャラクターグッズがいっぱいなのだ。

 天香久山にも近い奈良県明日香村。大村崑さんのオロナミンCのホーロー製看板などが貼られた古い日本家屋に「アトンおもちゃ館」はある。

 のれんをくぐって中に入れば、そこはもう、さび付いた心に童心を呼び戻す夢のパラダイス。

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キャラクターのおもちゃがひしめく展示=奈良県明日香村小山

 おおっ、そこにあるのはモンチッチではないか。こっちにはひげダンスの志村けん人形。なぜか「あしたのジョー」の矢吹丈が描かれた車のおもちゃに、マッハGoGoGoのマッハ号もあって、気分はオー・モーレツ。キャンディ・キャンディのバッグもあるかと思えば、なんと未開封の駄菓子まで。いちいちあげればきりなし、紙幅もなし。ぜひ直接行って見てちょーだい。

廃業する玩具店や文具店を訪ねて

 館長の田中喜司男さんが、ここにキャラクターグッズの殿堂を開いたのは2002年。年齢はヒミツ秘密のトップシークレットだが、生まれは「昭和20年代」だとか。

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天井までキャラクターグッズで埋まったアトンおもちゃ館。館長の田中喜司男さんにここで開館した理由聞くと、「歴史ある明日香の端っこで、僕の人生を知ってもらうのもええと思って」=奈良県明日香村小山

 当時の日本は貧しかった。育った滋賀県では、子どもの遊び相手は竹や落ちてる釘。弓矢を作ってとばしたり。手裏剣作ってぶつけたり。わんぱくでもいい。たくましく育った昭和のワイルドな子であったのだ。

 やがて大人になった田中さん…

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